桃雪 白夜の気まぐれブログ

我は厨二病女子、想像神Mなり!

アイデンティティプロテクション⑸

〜第五話、「無意識の出会い」〜


学校のホームルームの前
優と太亮は教室の中でぼうっとしていた

その時、教室に平田 知葉(ひらた ともは)が入ってきた
何かに怯えたような、驚いているような、そんな顔をしていた
「どうしたの?」
由紀が知葉に声をかけた
すると知葉は言いにくそうに口を開いた

「夢で真維ちゃんに会ったんだ…でも夢って感じじゃなかった…真維ちゃんが本当に話しかけてきた感覚で…」
「真維ちゃんが!?な、なんて言ってた?」
「わからない…肝心なところが聞こえなくて…でも…泣いてた…真維ちゃん凄く悲しそうだった…」
「…」

クラスじゅうがしんみりとした空気に包まれていた

優と太亮は真維の心配をした


………………………………………

その夜、由紀はいつものようにベッドに入り、いつものように眠りについた
しかし、いつもと様子の違う夢を見た

………………………………………

「…?ここは…何処?真っ暗で何もわかんないや…」
由紀は1人で暗闇の中にいた
宛もなく歩くと、誰かの泣き声が聞こえてきた
「誰?」
声の方へ歩くと、そこには真維がいた
「真維ちゃん!?」
由紀が声をあげると、真維が顔を上げた
「私を見付けてくれてありがとう」
真維が言った
「どうしたの?なんで泣いてるの?」
由紀が聞くと、真維は答えた
「私のせいで、みんなの日常が崩れちゃった…あの子の心を壊しちゃった…迷惑かけちゃった…ごめんなさい…」
「そんな事ないよ!真維ちゃんは何にも悪くないよ!」
「だって…あの子凄く苦しそうにしてるんだもん…」
「あの子って誰?誰の心を壊しちゃったの?」

「木ノ下 太亮 君」

「…え?」
「私、気が付かなかったんだけどね、あの子を私がふってから、あの子は自分を見失ってしまってたの。だから関係ない人にイライラを向けたり、私にしつこく話し掛けたりしてたんだ。壊れてしまったのよ」
「…そうだったんだ」
「だから私に責任があるの。私が壊しちゃったあの子の自我(アイデンティティ)を、なおしてあげなきゃ。そうしないと、あの子がもっと壊れる…」
「真維ちゃん…」
「だから私、意識の世界に逃げた。私がいない間、私の友達が私の代わりをしてくれたんだよね?」
「それって…真生君の事?」
「そうだよ。絶対に私を裏切らない、私の友達…」
「でも今、真生君は眠ってしまったよ」
「うん。現実世界に慣れてなかったから…だけど私、役目を果たすまでは、現実世界に出てこれない。現実世界に出てったら、あの子の心とお話できないの…」
「じゃあ、真維ちゃんは…ずっと眠ったままなの…?」
「そうなるね…」
「そっか…じゃあさ、私に何か手伝える事があったら言ってよ!協力するよ!」
「本当?ありがとう…じゃあ、お願いがあるの」
「なぁに?」
「あの子含めて全員が安心して学校に来れるようなクラスをつくってほしいの」
「わかった!みんなにも協力してもらうね!」
「ありがとう…本当にありがとう…」
「任せて!」

そして真維ははじめて笑った

………………………………………

由紀は目を覚ました
朝になっていたのだ
アラームを止め、さっきまで見ていた夢を思い出し、よし、と、気合いを入れた


〜第五話完結〜

最終話→http://momo-yuki-haku-yo-ancmot-15.hatenablog.com/entry/2015/03/07/005802

第四話→http://momo-yuki-haku-yo-ancmot-15.hatenablog.com/entry/2014/12/06/050518