桃雪 白夜の気まぐれブログ

我は厨二病女子、想像神Mなり!

アイデンティティプロテクション⑶

〜第三話、「性別の違い」〜

今日もいつも通り学校に来た真生は、男子の集団が集まって話をしているのを見かけた
「お早う」
「あ、和門花!お早う!」
真生は男子に交じり、話に入っていく
「和門花、調子はどう?」
「ん?まぁ、ぼちぼちだな」
「曖昧だなぁw」
「そんなもんだろw」
そして椅子に座った真生は、テーブルに肘をついて、一言
「胸が重い…」
男子は一瞬凍りついた
「なんで沈黙が走るんだよ」
「い、いや、どうしても和門花が女の子の感覚が抜けなくて…」
「あいつ下ネタとか苦手だったから」
「俺を女扱いしたら一人残らず股間蹴りとばすぞ」
男子、ドン引き
しかし、その中の1人、「中島 亮介(なかじま りょうすけ)」がぎこちなくも話を続けた
「で、でもさ、そんだけ胸でかかったら、いろいろと、いいことあんじゃない?揉んだり」
「自分の胸揉んだって嬉しくねぇよwww」
「それもそうかwww」
やがて下ネタで盛り上がる集団だった
しかし、それを影から大亮が、反対側から優が、絶望したように見ていたのだった

学校から帰る途中、真生は誰かに後をつけられているような気配を感じた
振り向くと、大亮だった
「何か用か?」
「真生…」
そう言って大亮は突然真生に殴りかかった
しかし、真生は腕組みをしたまま後ろへとかわした
「!?」
大亮は一瞬怯んだが、すぐに体勢を立て直し、真生に向かって拳を振り上げ続けた
真生はそれでもなお涼しい顔をしてよけ続ける
真生の後ろに壁が迫り、大亮はしめたと思ったが、真生はさっと屈み、大亮の後ろへ回り込んだ
「どういうつもりだ?」
「お前が…お前が出てきたから、真維が消えたんだろ…」
「とんだ分からず屋だな。真維が死んだのはお前のせいだっつの」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ!」
「やめとけ。お前は知らないだろうけど、みんなが見てるぞ」
「!?」
下校中の同級生が一部始終を見ていた事に、大亮は気が付かなかったのである
「それにな、俺、この体傷付けたくないんだよ」
「…?」

「真維が戻ってきた時に、傷が付いてたらあいつ泣くだろ?」

大亮はその言葉と、その時に真生が見せた微笑みに、真維の面影を感じて、何も出来なくなってしまった
「…真維の為に、服も合わせてるの?」
「あぁ、いつ戻ってきてもいいように、な。流石にスカートやショーパンは俺は無理だけどw」
真生ははにかむように微笑んだ
大亮は涙を流しそうになるのを堪えていた
「ほら、もう帰んな。疲れてるだろ?あんなに動いて」
「…うん」
「じゃあな」
そして真生は自分の帰路へとついた
大亮も自分の帰路についたが、涙が堪えきれず、少し溢れてしまった

「ま…真生君!」
真生の後ろから優が呼びかけた
「優か。何だよ」
「いや、その…」

「途中まで、一緒にいてもいい?」

真生は驚いた
「ホモは帰れ」
「そういうんじゃなくて」
「…わかってるよ。いいよ」
「ありがと」
「なんならそこの公園ででも話すか?」
「え…いいの?」
「あぁ」
「あ、ありがとう…」
そして2人は公園に入り、優が切り出した
「俺、さ、真維ちゃんに言いたくて仕方が無い事があってさ」
「へぇ。何を言いたいんだ?」
「その…なんというか…」
「なんだよ、はっきりしろよ」
「俺…真維ちゃんの事が好きなんだ」
「…」
「…」
「…そっか」
「こ、こんな事、真生君に言ってもしょうがないよね…ごめん」
「…ふははっw構わんよ」
「なんで笑ってるのさ」
「いや、ライバルだな、ってな」
「?」
「俺も真維が好きだからな」
「そうなの?」
「おぅ。一度だけ、真維と会話した事があってさ」
「うん」

…………………………………………

暗闇に独りぼっちだった俺に、彼女は話し掛けてくれた
大丈夫だよ、怖くないよ、って
まさかこの体の持ち主が意識体でしかない俺の事を気に掛けるとは思わなかった
嬉しかった
でも名前を聞かれて答えられなかった
そしたら彼女はこう言った

「じゃあ私が名前付けてあげる!」

「えっと…私が真維だから、貴方は真生ね!」

彼女が俺に、『真生』という名前をくれた
…………………………………………

「だから俺は真維に感謝してるし、真維が好きなんだよ。ま、所詮叶わぬ恋だけどなw」
「それを言っちゃあおしまいだよw」

そして2人は真維の話をしながら一緒に帰ったのだった


〜第三話完結、第四話に続く〜

第四話→http://momo-yuki-haku-yo-ancmot-15.hatenablog.com/entry/2014/12/06/050518

第二話→http://momo-yuki-haku-yo-ancmot-15.hatenablog.com/entry/2014/11/01/233917